2011年3月2日水曜日

季節感を取り戻そう

3月に入って、そろそろ桜の便りが気になりだした。

 千代田区は区花が桜。3月下旬から4月上旬、「千代田さくら祭り」が行われる。
 千鳥が淵緑道では毎年ライトアップが行われ、皇居を望みながら幻想的な夜桜を楽しめる。
 また、4月1日(金)~4月3日(日)は神田川~日本橋間の桜クルージング、4月4日(月)には国立劇場発の麹町お花見スカイバスが運行される。そのほかにも千代田区には桜スポットが多く、外濠公園、英国大使館、靖国神社、皇居東御苑などなど見所満載。

 楽しみな季節を迎えるわけだが、ちょっと気になるコラムを見つけたので一言。

  真っ先に咲く梅に続いて杏や桃、李が花開き、桜が暖かい春を彩る(2011年3月2日「名字の言」)

 とくればどうも時系列が気になる。この表現をそのまま読むと梅が咲き、杏や桃が咲き、李が開き、そして最後に桜が咲くような印象を受けてしまわないか。
 むろんこれらの花には昨今種類も豊富で早咲きや遅咲きがあり、一概に咲く順序が明確ではないが、桜と桃どちらが早く咲くの?
 少しはなしはそれるが、三月三日はひな祭り、桃の節句と言われる日だが、これはもともと旧暦の行事で、西暦3月3日には桃の花は咲かない。
 旧暦と西暦とでは、一ヵ月から一ヵ月半程度ずれるので、西暦にあわせれば、桃の節句は4月上旬から中旬となり、桃の開花に符合する。
 昨今、都市化の波、温暖化に代表される異常気象、生活パターンの近代化などで、季節感が薄れているとも言われている。
 しかし、桃の節句など伝統的な年中行事をそのまま西暦の日に置き換えて行われる傾向も日本人の繊細な季節感を乱しているのではないかと考え、読みすごすことはできず、一言申し上げた。

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